脳卒中後のリハビリテーションにおいて、トレッドミル(ランニングマシン)を用いたトレーニングは、歩行機能の改善に有効であることが多くの研究で示されています。以下に、いくつかの主要な研究結果をまとめます。
1. 歩行速度と歩行能力の向上
トレッドミルを用いた有酸素運動は、脳卒中患者の歩行速度、歩行リズム、歩行サイクルの対称性を改善することが示されています。ある研究では、3ヶ月間の低強度トレッドミル運動を行った結果、歩行速度が33%向上し、歩行リズムも9%改善しました。1)
2. エネルギー消費と心血管負担の軽減
6ヶ月間のトレッドミル有酸素運動は、脳卒中患者の歩行時のエネルギー消費と心血管負担を大幅に軽減することが示されています。具体的には、エネルギー消費が約20%減少し、心拍数も低下しました。3)
3. 心血管フィットネスの向上
トレッドミルトレーニングは、心血管フィットネスの向上にも寄与します。あるランダム化対照試験では、6ヶ月間のトレッドミルトレーニングにより、心血管フィットネスが17%向上し、歩行能力も30%改善しました。5)
4. 脳の神経ネットワークの活性化
トレッドミル運動は、脳の神経ネットワークの活性化にも寄与します。特に、小脳や中脳の活性化が見られ、これが歩行速度の改善と関連していることが示されています。6)
5. 部分体重支持トレッドミルトレーニング
部分体重支持トレッドミルトレーニングは、急性期の脳卒中患者において、歩行能力と速度の向上に特に効果的であることが示されています。この方法では、患者がハーネスで支えられながら歩行練習を行うため、より多くのステップを安全に練習することができます。7)
参考文献
- Effects of aerobic treadmill training on gait velocity, cadence, and gait cycle symmetry in chronic hemiparetic stroke patients. PubMed PMID: 11228951.
- Treadmill training seems to be a valuable and effective method of gait re-education in post-stroke patients. PubMed PMID: 31217676.
- Treadmill aerobic exercise training reduces the energy expenditure and cardiovascular demands of hemiparetic gait in chronic stroke patients. PubMed PMID: 9040684.
- Treadmill training improves fitness reserve in chronic stroke patients. PubMed PMID: 11441372.
- Treadmill exercise rehabilitation improves ambulatory function and cardiovascular fitness in patients with chronic stroke: a randomized, controlled trial. PubMed PMID: 16151035.
- Treadmill exercise activates subcortical neural networks in stroke survivors. PubMed PMID: 18757284.
- Treadmill training with partial body weight support after stroke. PubMed PMID: 18356589.
トレッドミルを用いたトレーニングは、脳卒中患者のリハビリテーションにおいて多くの利点を提供します。歩行速度やリズムの改善、エネルギー消費の軽減、心血管フィットネスの向上、さらには脳の神経ネットワークの活性化など、多岐にわたる効果が期待できます。今後の研究では、最適なトレーニングの頻度や期間についてさらに明確にすることが求められます。

コメント