10メートル歩行試験のカットオフ値について

10メートル歩行試験(10MWT)は、短距離での歩行速度を評価するためのパフォーマンス測定です。この試験は、脳卒中、パーキンソン病、脊髄損傷など、さまざまな神経学的状態の患者の機能的移動能力を評価するために広く使用されています。今回は、10メートル歩行試験のカットオフ値について詳しく解説します。

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10メートル歩行試験の概要

10メートル歩行試験は、患者が10メートルの距離を歩く速度を測定するものです。試験は通常、患者が快適な速度と最大速度の2つの速度で行われ、それぞれの速度で2回ずつ試行されます。これらの試行の平均値が最終的な歩行速度として記録されます。

カットオフ値の重要性

カットオフ値は、特定の疾患や状態における患者の機能的な移動能力を評価するための基準となります。これにより、リハビリテーションの効果を評価したり、将来のリスクを予測したりすることが可能です。

具体的なカットオフ値

以下に、いくつかの主要なカットオフ値を示します。

  1. 脳卒中患者の場合:
    • 0.4 m/s未満: 家庭内での生活
    • 0.4〜0.8 m/s: 限定的な地域社会での生活
    • 0.8 m/s以上: 一般社会での生活
    • これらの値は、脳卒中患者の歩行能力を評価するための重要な指標となります
  2. 健康な高齢者の場合:
    • 0.7 m/s未満: 転倒や入院などの有害事象のリスクが高い
    • 健康な高齢者においては、0.7 m/s未満の歩行速度がリスクの増加を示唆しています

参考文献

  1. Steffen T, Seney M. Test-retest reliability and minimal detectable change on balance and ambulation tests, the 36-item short-form health survey, and the unified Parkinson disease rating scale in people with parkinsonism. Phys Ther. 2008; 88(6):733-746.
  2. Perry J, Garrett M, Gronley JK, Mulroy SJ. Classification of walking handicap in the stroke population. Stroke. 1995; 26 (6): 982-989.
  3. Montero-Odasso M, Schapira M, Soriano ER, Varela M, Kaplan R, Camera LA, Mayorga LM. Gait velocity as a single predictor of adverse events in healthy seniors aged 75 years and older. J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2005; 60 (10): 1304-1309.

10メートル歩行試験のカットオフ値は、患者の歩行能力を評価し、適切なリハビリテーション計画を立てるための重要な指標です。これらの値を参考に、患者の状態を正確に評価し、最適な治療を提供することが求められます。

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