脳卒中患者の感覚障害に対するリハビリテーション

脳卒中後の感覚障害は、患者の生活の質や動作の自立に大きな影響を与えます。感覚再教育(Sensory Reeducation)は、これらの感覚機能を回復させるための重要なリハビリテーション方法です。以下に、システマティックレビューから得られた具体的な数値データを含めて、感覚再教育の効果について詳述します。

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感覚再教育の方法と効果

受動的感覚訓練と能動的感覚訓練

感覚再教育には、受動的および能動的な訓練プロトコルが含まれます。システマティックレビューによると、これらの訓練は感覚機能の改善に有効であることが示されています。

  • 受動的感覚訓練: 患者が自発的に動かさずに感覚刺激を受ける方法です。
  • 能動的感覚訓練: 患者が自発的に動作を行いながら感覚刺激を受ける方法です。

システマティックレビューの結果

感覚機能の改善

システマティックレビューによると、感覚再教育は感覚機能の改善に有効であることが示されています。具体的には、以下のような効果が報告されています。

  • 感覚機能の改善: 0.52(95%信頼区間(CI):0.04〜1.01)
  • バランスの改善(Berg Balance Scale): 0.62(95% CI:0.10〜1.14)

これらの結果は、感覚再教育が触覚、関節位置感覚、二点識別などの感覚機能の改善に寄与することを示しています。

歩行機能の改善

一方で、歩行機能に関しては、感覚再教育の効果は限定的であることが示されています。

  • 歩行速度の効果: 統計的に有意な改善は見られませんでした

感覚再教育の具体的なエクササイズ

感覚再教育の具体的なエクササイズには、以下のようなものがあります。

  1. Table Top Touch Therapy: 異なる物体をテーブルに置き、目を閉じてそれらを触り、テクスチャーの違いを感じる。
  2. texture hunting: 米の中に異なる物体を埋め、目を閉じてそれらを探し出す。
  3. Texture Recognition: 異なる物体を手に持ち、それらの感触を認識し、名前を付ける。

結論

脳卒中後の感覚障害に対するリハビリテーションは、感覚再教育を含む多様な方法で行われています。システマティックレビューの結果、感覚再教育は感覚機能とバランスの改善に有効であることが示されていますが、歩行機能の改善には限定的な効果しか見られませんでした。これらの結果は、感覚再教育が脳の可塑性を促進し、新しい神経経路の形成を助けることを示唆しています。

参考文献一覧

  1. Chia, F. S. F., Kuys, S., & Low Choy, N. (2019). Sensory retraining of the leg after stroke: systematic review and meta-analysis. Journal of Physiotherapy, 65(4), 201-209.
  2. Chia, F. S. F., Kuys, S., & Low Choy, N. (2019). Sensory retraining of the leg after stroke: systematic review and meta-analysis. PubMed. DOI: 10.1016/j.jphys.2019.05.001.

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