脳卒中患者に対する装具療法とFESについて

脳卒中患者に対する装具療法(Orthotic Therapy)と機能的電気刺激(Functional Electrical Stimulation, FES)の効果について、システマティックレビューを参考に比較します。

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機能的電気刺激(FES)の効果

歩行能力の向上

FESは、特に足の下垂(dropped foot)を持つ脳卒中患者の歩行能力を改善するために使用されます。システマティックレビューによると、FESを使用することで歩行速度が平均0.13 m/s(38%)向上することが示されています。このレビューでは、8つの研究が含まれており、そのうち1つはランダム化比較試験(RCT)でした。

上肢機能の改善

上肢に対するFESの効果についてのシステマティックレビューも存在します。このレビューでは、脳卒中後2ヶ月以内にFESを開始した場合、日常生活動作(ADL)の改善が統計的に有意であることが示されています。ただし、全体的なエビデンスの質は非常に低いため、さらなる高品質なRCTが必要とされています。

装具療法の効果

歩行能力の補助

装具療法は、主に足の下垂を補正するために使用されます。装具(例えば、足首足装具、AFO)は、足の位置を安定させ、歩行中のバランスを改善することができます。FESと比較すると、装具療法は即時的な効果が期待でき、特に急性期や回復期の患者に対して有効です。

長期的な効果

装具療法の長期的な効果については、FESと比較して研究が少ないですが、装具の使用は患者の自己管理能力を高め、日常生活での独立性を維持するのに役立つとされています。

比較

項目機能的電気刺激(FES)装具療法
歩行速度の改善平均0.13 m/s向上即時的な補助効果
上肢機能の改善ADLの改善(特に早期開始時)対象外
長期的効果さらなる研究が必要日常生活での独立性維持
適用範囲足の下垂、上肢機能足の下垂

参考文献一覧

  1. PubMed: The orthotic effect of functional electrical stimulation on walking in stroke patients with a dropped foot. [PMID: 15153151]
  2. Odstock Medical: The Orthotic Effect of Functional Electrical Stimulation on the Improvement of Walking in Stroke Patients with a Dropped Foot.
  3. PMC: Effectiveness of upper limb functional electrical stimulation after stroke. [PMC5331643]

これらの情報を基に、FESは特に早期の脳卒中患者に対して有望な治療法である一方、装具療法は即時的な補助効果を提供し、長期的な独立性の維持に役立つことが示唆されています。どちらの療法も患者の状態や治療目標に応じて選択されるべきです。

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