HDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)と歩行自立の関係について、英語論文を基にした研究結果を以下にまとめます。
HDS-Rと歩行自立の関連性
HDS-Rは認知機能を評価する指標であり、30点満点でスコアが高いほど認知機能が良好であることを示します。このスコアは、高齢者のリハビリテーションや日常生活動作(ADL)の自立度を予測するために用いられることがあります。
1. 認知機能と歩行能力の相互作用
- 認知機能低下と歩行自立の関係
認知機能が低下している高齢者では、歩行自立が困難になる可能性が高いです。特に、HDS-Rスコアが低い場合(認知症が疑われる20点以下)、転倒リスクや移動能力の低下が懸念されます16。 - 重度認知症と高い歩行能力のリスク
認知機能が著しく低下している場合でも、歩行能力が高いと「徘徊行動」のリスクが増加することが報告されています。このような場合、認知機能と身体能力の組み合わせが患者の安全性に影響を与える可能性があります1。
2. 歩行自立に影響を与える他の要因
- 筋力と栄養状態
筋力(特に膝伸展筋力)や栄養状態(MNA-SFスコア)が歩行自立に重要な役割を果たします。これらはHDS-Rスコアと併せて評価されることがあります25。 - 骨折や身体的要因
骨折部位や骨格筋量(SMI)も歩行能力に影響します。例えば、脊椎圧迫骨折患者では、HDS-Rスコアと筋力低下の両方が歩行自立度に関連しています58。
3. リハビリテーションでの活用
結論
HDS-Rスコアは、高齢者の認知機能を測定し、歩行自立度やリハビリテーション計画の指標として活用されます。ただし、歩行自立には筋力や栄養状態など複数の要因も影響するため、包括的な評価が重要です。また、認知機能低下と高い身体能力を持つ患者には特別な注意が必要です。
参考文献一覧
- Murata S. et al., Joint effect of cognitive decline and walking ability on incidence of wandering behavior in older adults with dementia.
- PMC9095424, Cutoff Value for a Nutritional Indicator Related to Gait Independence.
- PMC11527465, Factors associated with stair climbing independence at discharge.
- Tokushima University Repository, Compassionate Communication for Older Adults with Dementia.
- ResearchGate, Factors Influencing Gait Independence in Patients with Spinal Compression Fractures.

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