化学療法を実施している患者の血小板数による運動療法の負荷設定について

化学療法を受けている患者にとって、運動療法は身体機能の維持や生活の質の向上に寄与する重要な手段です。しかし、血小板数が低下している場合、運動による出血リスクが高まるため、運動の種類や強度を慎重に設定する必要があります。以下に、血小板数に応じた運動療法のガイドラインを紹介します。

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血小板数の範囲と運動ガイドライン

  1. 血小板数 50,000/μL 以上
    • 推奨運動: 有酸素運動(ウォーキング、サイクリングなど)および軽度から中程度の強度の筋力トレーニング(ウェイトやエラスティックチューブを使用)。
    • 注意点: 出血の兆候がある場合は運動を中止し、医療チームに連絡すること。
  2. 血小板数 20,000/μL ~ 49,999/μL
    • 推奨運動: 出血の兆候がない場合、有酸素運動および軽度の筋力トレーニング(ウェイトやエラスティックチューブを使用)を行うことが可能。ただし、息を止めたり、過度に力を入れたりしないように注意する。
    • 注意点: 深部組織マッサージは避け、軽いコンフォートマッサージは医師と相談の上で行うこと。
  3. 血小板数 10,000/μL ~ 19,999/μL
    • 推奨運動: ウェイトやエラスティックチューブを使用しない筋力トレーニングおよび負荷の少ない有酸素運動(ストレッチや軽いウォーキングなど)。患者が安定して立てる場合に限る。
    • 注意点: 出血の兆候がある場合は運動を中止し、医療チームに連絡すること。
  4. 血小板数 10,000/μL 未満
    • 推奨運動: 有酸素運動や筋力トレーニングは避ける。必要最低限の移動(トイレへの移動など)は介助者の助けを借りて行う。
    • 注意点: 出血のリスクが非常に高いため、運動は極力控える。

運動療法の重要性と注意点

化学療法中の運動は、筋力や心肺機能の維持、疲労感の軽減、精神的な健康の向上に寄与します。しかし、血小板数が低い場合、運動による出血リスクが高まるため、運動の種類や強度を慎重に選定する必要があります。特に、血小板数が10,000/μL未満の場合は、運動を極力控え、必要最低限の移動にとどめることが推奨されます。

参考文献一覧

  1. Physical exercise is safe and feasible in thrombocytopenic patients. 
  2. Mobilization and Exercise Intervention for Patients With Multiple Myeloma. 
  3. Effects of Exercise on Chemotherapy Completion and Hospitalization Rates. 
  4. Blood Values and Exercise Guidelines. 

これらのガイドラインを参考に、患者の状態に応じた適切な運動療法を実施し、出血リスクを最小限に抑えながら、身体機能の維持と生活の質の向上を目指しましょう。

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